1．遺産分割協議を行う

相続人を確認し、複数人いる場合は遺産分割協議を行います。遺産の分け方について話し合うもので、不動産を相続する方を決めていきます。不動産はそのままで分割するのが難しいケースも少なくありません。そこでまずは不動産を売却し、現金に換えてから分割する「換価分割」が選ばれる場合が多いです。話し合いの内容は遺産分割協議書を作成し、書面に残しておくことが重要です。今後の手続きを進めていくにあたって、遺産分割協議書は証拠となります。協議が成立した日付、相続人、相続財産などをしっかりと記載します。そのうえで相続人全員が署名・捺印します。

なお、遺言書がある場合はその内容に沿って協議を進めていきます。また、もともと相続人が1人しかいないなど、単独で相続するなら協議は不要です。

2．相続登記をする

遺産分割協議が済んだら次に相続登記を行います。相続した不動産の名義を相続人に変更し、所有権が移ったことを公的に示す手続きです。登記上の所有者でなければ不動産は売却できません。相続登記を行う場所は、不動産の所在地を管轄する法務局です。遺産分割協議書や印鑑証明書、相続人全員の戸籍謄本などが必要になるため、事前に準備しておきましょう。

3．物件を査定・売却する

相続登記が済んだらいよいよ不動産を売却します。売却先がすでに決まっている場合は問題ありませんが、決まっていない場合は不動産会社に依頼することが一般的です。遺産相続や相続登記などのサポートに対応可能なケースが多いため、相続の話が出たら早めに不動産会社へ相談することをおすすめします。

不動産の査定後、不動産会社と買取や仲介の契約を締結します。仲介の場合は売却活動を通して買主を募集し、購入希望者が現れたら売買契約を交わして手続きを進めます。

代表者だけで売却価格を決めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性も考えられます。トラブルを避けるためにも、売却価格を決める際は相続人全員でよく話し合うことも重要なポイントです。

4．現金を分割する（換価分割の場合）

換価分割の場合、現金を平等に分ける必要があります。遺産分割協議の内容に沿って、不動産を売却して得た現金を相続人に分割します。

以上が相続した不動産の売却の基本的な流れです。ただ、遺産分割協議の内容や分割方法、不動産の状況などに応じて売却の流れは変わります。ニーズに合った不動産売却の流れを知りたいときは不動産会社への確認・相談をご検討ください。